活動報告

今年度事業計画

2024年度事業計画

Ⅰ.基本方針

2024年度の経済概況は、世界的には依然として地政学リスクによるエネルギー価格の高止まりやサプライチェーンの混乱などにより先行き不透明な状況でありますが、国内経済においては、生活必需品の物価上昇が続いているものの、インバウンド需要の復調に加え、株価の最高値更新、各社の高水準な賃金上昇など、復調の兆しが見えてきました。また、政府主導で、取引関係の適正化に向けての「パートナーシップ構築宣言」に係わる取り組みや、価格転嫁を含む取引適正化の推進、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の公表など、国内におけるサプライチェーン全体での付加価値向上への動きが加速しております。
このような状況の中、印刷業界は引き続き、取引適正化へ向けての活動を推進するとともに、「従来の請負型受注印刷業態」から「高付加価値コミュニケーション産業」へという大きな転換を加速させる必要があります。日々進展するDXやAIと従来の情報サービスや紙メディアを掛け合わせることにより新しい価値を生み出し、また、地球環境問題に対する人々の意識の高まりなどに配慮した製品やサービスを拡大させるなど、社会の変化を先取りした取り組みを進めることにより、印刷産業が更なる成長を遂げ、社会に貢献し続けることが可能になると考えています。
印刷工業会では、印刷業界の持続的な発展と会員企業各社の成長を目指して、今年度も各部会それぞれに設定したテーマに則り積極的に活動を展開していきます。営業各部会では昨年度に引き続き、喫緊の課題である「価格転嫁」「取引慣行改善」「労務費の適切な転嫁」「物流2024年問題」を活動テーマの主軸に据えており、複数の部会ではその窮状を顧客企業にご理解いただくための具体的なアクションも既に進めております。また、会員各社共通の経営課題についても、引き続きスタッフ部会を中心に討議を重ね、各社連携による相乗効果を図ってまいります。更に、部会活動を通して印刷関連団体や各種業界団体とも連携して、新しいビジネスへの情報の共有や発信、サプライチェーンの活性化も目指してまいります。
本年度も日本印刷産業連合会に対して、理事のほか主要委員会に多くのメンバーを派遣するなど連携を図り、また近年関係省庁からの要請や協議に際しては、印刷産業の主要団体として業界の維持と発展に向けて責任ある行動を遂行してまいります。
近年会員社数が漸減しておりますが、その状況に歯止めをかけるため、「団体としての存在意義と活動意義」をより実感していただける施策を、会員各社の皆さまに向けて順次提供させていただく所存でございます。
役員の皆様をはじめ、会員企業の皆様の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。  

 

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